ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長。特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構 会長。沖縄科学技術大学院大学 教授。理化学研究所 統合生命医科学研究センター 疾患システムモデリング研究グループ グループディレクター。ソニー株式会社 執行役員コーポレートエグゼクティブ。ロボカップ国際委員会ファウンディング・プレジデント。国際人工知能学会(IJCAI) エクゼクティブ・コミッティー・メンバー。World Economic Forum(世界経済フォーラム) AI & Robotics Council 委員。
Computers and Thought Award (1993)、 Prix Ars Electronica (2000)、日本文化デザイン賞(日本文化デザインフォーラム)(2001)、ネイチャーメンター賞中堅キャリア賞(2009)受賞。ベネツィア・建築ビエンナーレ、ニューヨーク近代美術館(MoMA)等で招待展示を行う。
【Day 1-1】キーノート レクチャー
ノーベルチューリングチャレンジ:目標とその影響
人工知能研究における最大の課題は、科学的発見ができる人工知能システムを開発することだ。「ノーベルチューリングチャレンジ」では、どうしたらノーベル賞に値するレベルの科学的発見をする人工知能システムを作ることができるかという問題と、どうしたら本物の人間の研究者と区別がつかないレベルでの自律性を持った振る舞いを実現できるかという問から成り立っている。このチャレンジに取り掛かる上での作業仮説は、科学的発見というものは仮説空間の大規模な探索と科学的直感を洗練しうる実証実験からなりたっているというものだ。高いレベルでの自律性を実現するためには、探索すべき空間と利用可能なリソースへのアクセスを適切に同定することが求められるかもしれない。ノーベルチューリングチャレンジを通じて、科学の活動と社会に史上最大の改革を引き起こすことが期待される。